STAFF BLOG
数年前。実家の母と世間話をしていた際に。
「あんた、洋ちゃんすごいことになってるの知ってる?」と言われました。
記憶を辿ったのですが、洋ちゃんでぱっと浮かぶ人物がおらず、詳しく聞いて、すぐに調べました。
Artists
ドイツの哲学者ハイデガーの芸術論の中で、「芸術とは、常に衝撃である」と いう言葉を知った。芸術とは、本来包み隠されている真理を開示させる行為であり、これに触れることが芸術の根源であるという。
日々の経験と感動の中で、少しでも真理に近づきたいと目を凝らし、思考を巡らす。その過程に、私の場合絵画制作がある。目に見えないものを形にする中で、真理を開示し、また鑑賞者をも巻き込めたらと思う。
私は、悲しみや怒り、漠然とした不安感など人間の弱さや不器用さに興味があり、そういった人間の遣る瀬ない感情や心理を、可愛らしさや憎めない滑稽さを含む人形を通して描くことで、そこに少し笑ってしまうようなユーモアや愛着感情を与え、昇華しようとしている。
これまでたくさんの芸術から受けてきた衝撃を、私も還元したい。 (八嶋洋平)
プロフィール
1985 | 島根県生まれ |
2008 | 京都嵯峨芸術大学(現・嵯峨美術大学)芸術学部造形学科卒業 |
2013 | 広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程 単位取得満期退学 |
2018 | ドイツ・ハノーファーにて制作活動を行う |
2021 | 令和元年度吉野石膏美術振興財団在外研修員としてアメリカ、ドイツで研修 |
【主な個展】 | |
2012 | 「Gセレクション 群像-只中にいる-」(gallery G、広島) |
2016 | 「STAY GOLD」(NSA、広島) |
2017 | 「広島市立大学選抜洋画展」(八千代の丘美術館、広島) |
2020 | 「八嶋洋平 -Wave hands-」(靖山画廊、東京) 「第36回上野の森美術館大賞展 絵画大賞受賞者 八嶋洋平展」(上野の森美術館ギャラリー、東京) |
2021 | 「Yohei Yashima: TOUCH」(SEIZAN Gallery, New York) |
【主なグループ展】 | |
2012 | 「佐藤国際文化育英財団第21回奨学生美術展」(佐藤美術館、東京) 「カオス 混沌〜明日への問いかけ〜 展」(ギャラリー日比谷、東京)(’14、’16) |
2016 | 「手嶋勇気・八嶋洋平 二人展」(天満屋広島八丁堀美術画廊、広島)(’18) |
2017 | 「たいせつなもの展」(靖山画廊、東京)(’18) |
2018 | 「Imago Mundi project“ Hiroshima / Nagasaki ”」(Luciano Benetton Collection、イタリア) |
2019 | 「第 36 回上野の森美術館大賞展入賞者展」(上野の森美術館、東京) 「Spuren des Wandels」(Lortzing ART、ドイツ) |
2020 | 「なんでもない日ばんざい!」(上野の森美術館、東京) 「蟻のひと噛み」(靖山画廊・SEIZAN GALLERY TOKYO 凸、東京) 「KIRINJI 2X2X」(gallery UG Tennoz、東京) |
2022 | 「PASSION!!」(靖山画廊、東京) |
【受賞歴】 | |
2016 | 第2回藝文京展2016 優秀賞(京都芸術センター、京都) シェル美術賞展2016 入選 (国立新美術館、東京) |
2018 | 第30回全国絵画公募展IZUBI 優秀賞(池田20世紀美術館、静岡) 第36回上野の森美術館大賞展 大賞 (上野の森美術館、東京) |
2021 | 第27回エネルギア美術賞(エネルギア文化・スポーツ財団) |
めちゃくちゃすげー。。。
可愛い顔して、女の子みたいに細くて、いつも鼻水垂れてたようなあの子が、平井堅みたいな髭ボーボーになってる!
島根から、東京に、NYに何かを残せる人間になってる!!
3.4年前にそれを知ったときは、ただただそう思いました。
ELENAを立ち上げる前に会社を作り、クラウドファンディングも一応調べた結果、
カフェまで出してる!!
Cafe and Gallery 鐘や | さとやまにあ(飯南町観光協会公式ホームページ)
「こりゃ一生顔向けることはないだろうな・・・」とアーティストと密かに想うファンのような状態になっていたのですが、再開は突然に・・・。
昨年のとある日。
絶対絶命の窮地に立たされ「何か動かないと落ち着かない!」と、須佐神社に向かい、そこで本当にパワーを得た流れで急遽「洋平に会いに行こう!」とCafe and Gallery 鐘やに。
最後に会話したのが25年前くらいに薄い挨拶くらいだったと思うので、緊張と不安や恐怖。
覚えていてもらえるのか、相手にされるのか、そもそも洋平は今日そこにいるのか。頭真っ白のままそこに向かい、犬の散歩をしながらまずは様子見していると。
「佐藤ちゃん?」と同級生だった洋平姉が声をかけてくれ(女神や〜)そのまま中に。
自分の過去と今、洋平の過去と今を語り、「いつか、飲食店をするときに洋平の絵を飾れたと思ってる」と、世間話でその日はおとなしく帰りました。
帰りの車の中でぱっとアイデアが浮かび、母に連絡先を聞いてほしいと頼むと
「あんたみたいな人間があの子に絡むな!どうせよくないことでしょう!」と一蹴。
言われても仕方ない過去を過ごしてきたので、翌週また訪問し、そこで「会社を作る。会社名、名刺のデザインを頼めるかな?」と仕事を依頼しました。
本来、飲食店や昼間の職種で頼みたかったが、夜の業界になってしまうこと。
洋平の経歴に傷をつけるようなことはしたくないと正直に伝え、洋平は慎重に話を聞きながら、少し時間をくださいと。
そしてしばらくして引き受けてくれました。
それから何度も時間を重ね、調子に乗って勢いでELENAの名刺のデザインも。
本日の画像はその基となったもので、名刺で見たより迫力があって、これをあんな値段でいいの?と尋ねると
「僕からの開店祝いです!」と笑顔で言ってくれました。
絵がうまいとか、センスや才能があるとか、そんなことは僕にはわかりません。
ただ、彼が絵に一生懸命向き合ってきたこと、自分の仕事を愛してきたこと、そしてそれ以上に家族を大切にする良き父親になっていたこと。
ネットで見えた華やかで煌びやかな生活でもなく、人一倍苦悩と葛藤を抱え、「ずっと自信がなかった」ととても繊細に生きてきたこと。
とても魅力的な人間だっていうことは知って改めてファンになり、僕は「微力でも出来ることはする。絵を描き続けてほしい。」と仕事を投げ続けました。
一つ僕が好きな洋平エピソード。
エレナの名刺を作る際、行ったことがないというので、広島の先輩のラウンジに田中田さんと3人で視察に。
途中僕がトイレに立ち、女の子はおしぼりを持ってトイレの前にスタンバイ。
その数十分後。
洋平「佐藤さん、さっき女の子とどこに行かれたんですか?」
佐藤「え?トイレだよ。(笑)この店では女の子はおしぼりを持ってトイレの外に立つみたい」
洋平「それ、大の時恥ずかしくないですか???」
めっちゃ純粋だなと笑いました。
その言葉がきっかけで、ELENAではトイレの前で待つのはやめるという一つのルールもできました。
僕はそんな洋平が人として、大好きです。
7/7のブログの画像の壁。今はうっすらと線が入っています。
7/7の前に、洋平に広島から来てもらって、「ほんとに線、ぴっ!でもいい。何かオープンの前に少しだけ書いてほしい」とお願いしました。
月に2-3ペースで通っていずれ完成させてくれます。
”完成したものじゃない、過程を見せたい。最初から完璧じゃなくていい。女の子と、お客様と、一緒にELENAを作っていく。何もない壁が変わっていく。エンターテイメントとして人を楽しんでもらいたい”
僕がELENAの内装で、一番こだわりたかったこと。
僕がELENAというお店に対して、一番こだわりたいこと。
それを洋平に託しています。
ELENAはそういう働いていない人の想いも込められているのです。
だから働く人間はそれを知ってほしい。それを背負ってその人たちに恥じないお店にしていかなければならない。
「すげー」「かっけー」そんな言葉で片づけてはいけないのだと改めて感じてほしいです。
「言うてる場合か!」〜part2〜
ELENAの最初のブログは今日の画像か7/7の画像かで随分迷いました。
目立つのも華があるのももちろん今日の画像。
ただ、ここから始まる、何もないところから始まるんだということを忘れないように、僕らの今を表す何もない壁に決めました。
後輩として、友人として、そして何よりアーティストとして。僕は彼の力を信じています。
どんな絵が完成するのか、是非僕らと一緒に楽しんでいただけると幸いです。