STAFF BLOG
最近あった出来事の中から何か書こうと考えた時に。
僕が好きな眼鏡屋さんでの店員さんの一言を思い出したので、今日はそちらの話からおばあちゃんについて書いてみようと思います。
オチは特に見つかってないので、どうまとめるかとても不安です。
僕が好きな眼鏡屋さんとは田和山にある眼鏡のモチダというお店です。
正直なところ、立地、店名で馬鹿にしていたというか、20代の頃なら入ることすらしなかったのですが、眼鏡の修理に入ったところ、知らないブランドだらけだったけど、妙にセンスの良さを感じたのと、何より店員さんの感じが良い。それがお店全体の空気に溶け込んでいることに心地よくなって、一つ購入してそれ以来定期的に足を運ぶようになりました。
特に店長さんの接客は素晴らしい。
将棋の羽生さんのような外見と、綺麗で優しさ誠実さがにじみ出た透き通るような声。
とても柔らかな人柄ですが、腕力的な強さではなく、芯の強さを感じるような接客に、僕は全ジャンルを通してみて松江で一番の接客員だと個人的に思っています。
是非、山本に目指してもらいたいですね。
そんな眼鏡のモチダさんに数か月前から買おうかどうか迷っているAnne et Valentin(アン・バレンタイン)というブランドの眼鏡がありまして。
あまりショッピングに迷うことがないんですが、金額と活用性の折り合いがつかず3.4回通って試着してんーって帰るを繰り返してる若干迷惑な客となっているのですが。
先週伺った際にも、他のをかけてみてはそれに戻りを繰り返している中で。
「何が迷われるところですか?」と言われので
『どこにかけていく?どこでかける?ですね(笑)青山や代官山を歩くなら何も問題ないサングラスだけど、これをかけて行くはまる場所も浮かばないし、お店の中でかけるにはレンズが暗すぎる(目が見えないものは自分の中でNGとしていて)さらに、今親の軽に乗ってるような状況であの車を運転しながらこのサングラスをかけるのは恥ずかしいです(笑)』というような話をしました。
僕が迷っている眼鏡の紹介↓
Anne et Valentin(アン・バレンタイン)
DELIGHTED TO BE YOURSELF(自分らしくあることの喜び)がコンセプト。 顔をキャンパスに見立てて、線やカラーを描くかのようにデザインがなされた魅力は掛けてみて初めてわかります。
画像は僕が欲しいものではないのですが、カラーの2色のバランスが独特で絶妙なのとテンプルがすんなり入ってくる個性的なのと、軽くてフィットする印象。
『どういう方が買われていきますか?』と聞いてみると
「割と、おばあちゃんが買われていきますよー」
なるほど、、、おばあちゃんかー。。。
おばあちゃん、おばあちゃん。
そういえば。。。
出雲の洋服屋さんにて革ジャンを着たおばあちゃんが服を見ておられて。
「ああいう年代の方も来るんだね?」と尋ねると
『バリバリ(笑)メンズの革ジャン買われたりします。旦那さんと洋服が好きで、お店がオープンしたころからの常連様です。
島根に自分が好きなブランドを置くお店が出来て嬉しいと言われました。』
マルジェラを着こなすおばあちゃんがいるのか・・・。
20歳の頃、歌舞伎町でホストをしてた頃に。
べろべろになった朝方、新宿駅のホームで実家のおばあちゃんに電話して
「あなた、お金あるの?」と聞かれたので
『大丈夫!まだ1000円ある!』と答えると
満員電車に乗り込んだら、その電話を聞いていたおばあちゃんが
「ごめんなさい。電話少し聞いてしまったわ。あなた、1000円しかないの?これからもおばあさんに電話してあげなさい」
と5000円くれました。
恥ずかしかったけど、都会にも赤の他人の温もりがあると感じた数少ない瞬間でした。
僕がホストをしていたお店は在籍200人を超える大きなグループから独立をかけて見事1位になり、15-25名で小さな箱に独立したお店でした。
売上100万or客数50人がないと”絶対にお店を閉めない”という今思えば鬼の営業であり
朝方になると残ったもうこれ以上はお金使えないよというお客さんと飲み疲れ果てたホストで葬式みたいな時間を過ごすという地獄のような環境でした。
売上は今日はこれ以上はあがらない。
人が来る予定ももうない。
そうなるとキャッチに出るしかありません。
朝10時に歌舞伎町のメイン通りに出て、人もまばらな中、着物を着た70代のおばあちゃんに丁寧に話しかけたら来てくれるということになりました。
店内は爆音のトランスが流れていたのですが、電話して「あの〜最後の1人連れて帰ります。クラシックか何か流しといてもらえますか?」と小声で喋り連れて行ったところ。
そのおばあちゃんはお金持ちのおばあさんで、当時有名だった愛本店というTHEホストクラブというお店にも通われる方でした。
代表と、僕がおばあちゃんを挟んで談笑していたところ
「私がこの店に来ることはもうないでしょうが、この子はとてもいい子です。だからこれはあなたから渡してやって」
と優しい笑顔で代表に10万円渡してくださり、さっと帰られました。
代表は僕に渡すことなくそのお金を持って、系列のまだ閉めれてないお店に行きましたけど。
あんなおばあちゃん人生で最初で最後だなーと20年たった今も変わりません。
僕のおばあちゃんで一つ記憶に残っているのが、僕が高校生の頃。
茶髪、金髪は嫌だということで、銀髪にしたことがあったんですが、山と川とたんぼと畑しかないような町で、水色になってしまったことがあって。
親は激怒で、おばあちゃんはとても真面目な人だったので、食卓に行くのが嫌で、麦わら帽子を被って向かったところ
「見せてよ♪」
「あら?綺麗な色じゃない♪」
と言ってくれて救われたのが記憶に残っています。
一度だけELENAにもおばあちゃんが来てくださいました。
娘さんと飲み歩くのが趣味ということで、”残酷な天使のテーゼ”を熱唱されていました。
よく知ってますねーと笑うと、「パチンコの影響よ!」と豪快に笑われて。
この先もELENAにおばあちゃんが来ることはそうそうないと思いますが。
自分の祖母も含めて、今日の話に出てきたようなおばあちゃん一人一人にお店の事を話した時に
”そんなお店なら素敵ね”と言われるようなお店であることはとても大切な在り方だなと。
そもそも好きな人に認められるのと、全く興味のない人に認められるのは喜びが少し違います。
素人を集め、素人が運営するお店なのですから、そんなお店が松江に一つくらいあってもよいのではないでしょうか?
イメージでしか伝えられないかもしれないですが、僕はそういう価値観に興味を持ち、惹かれます。
雄太がこないだ親戚を呼んでいたのも似ていて。親戚を呼べるお店ってなんかいいなーと思うんです。
働く人への信頼がないとなかなか呼べないですからね。
ブログネタひとつもらったということで、ようやく自分の中で理由ができて、やっぱり眼鏡は買いに行こうと思います。
-予告-
本当は今日書こうと思ったのですが、少し時間を置いてみようということで。
次回の佐藤ブログは”○○ELENA△△ってよ。”
でお届けしたいと思います。
展開がどうなるにせよ、すでに頭の中で構想は始まっております。