STAFF BLOG
お店をオープンする前の計画では僕の中で出勤3人が目安で。0-2人なら締めてもいいかなあと思っていました。
出勤は在籍の1/3が平均。12-15名在籍にすれば余裕をもって組める話なので、キャストが集まるまでは仕方ないかと。
何を最優先にするかの選択なんですが、僕は来ていただいたお客様を楽しませる準備って考えるんですね。
準備が出来て無いのに開店するのはどうなんだろう・・・。
出勤を出してくれた女の子の気持ちは?そんな夜に素敵なお客様との出会いがあったら?
答えを出すのにもう少し時間が欲しい課題です。
今日は2人になってしまい、何度も「閉めようかな」と過ったのですが、迷っている内に時間が迫り最後は自分の気持ちではなくスタッフの「行けると思います!」を信じて開けることにしました。
結果、オープン以来断トツの暇さ。2組、5名。「女の子が2人で・・・」というと帰られるお客様も何組かはありました。
「やっぱり閉めればよかった。」「自分の気持ちに嘘をつくと後悔するな。」と帰りの車の中で考えます。
ただし、それは暇だったからじゃないんです。
”たった2組のお客様にすら”僕が求め続けている「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」が言えない現状に、言い表せられないやりきれなさに対してです。
説教や厳しい意見をかませば、空気は悪くなります。(空気を悪くしたくて話してるわけではないから、捉え方が悪いと言いたいところですが)
そういう空気になると、もう今日お客様が来ることはないだろうというのは肌で感じます。
気持ち切り替えミーティング、そこで現状や改善策や大事なことを散々語ったわけですが、果たして伝わっているのかそうではないのか・・・
出勤してくれた優美と千尋への申し訳なさと、どれだけ練習で100点を取っても、実際の場面になると30点になってしまうスタッフ二人に久々に少し気分が落ちました。
愚痴りたいわけでも怒りもないんです。
ただ、「ELENAのスタッフは最高ですよ!僕にとって誇りです!」って声を大にしていつか言う時に。
「いつも辛口のこいつが言うならきっとそうなんだろう」と思われるために、言いたくないことも言わないでいいことも、言わないほうがいいことも迷わず言うスタイルを取ろうと。先の先の先を見る。若いうちは先が見えずに悩むものですが、いい加減大人になりなさいと言いたいところです。
まあそれでも言えばいうほど。一番ダメで馬鹿なのは自分なんだとも思っています。良い手本を見せてこれなかったのも事実です。
ELENAとして個人として、何かを遂げたわけでもないし、下手に繕って隠さなくていいかなって思ってこんな情けない話もネタにして書いていくのでどうか慣れてください。
そんな帰り道にふとある時期の経験を思い出しました。
23、4歳の頃、今でも「あんなにきつかった時期、他にあるかなあ(いや、あるな・・・)」と思える、死にたい。どう生きたらいいのかわからない。
人生に行き詰った日々を過ごす中、前職のフレンチレストランの職場で知り合ったお調子者に誘われ、なんとなーく最寄りの街をぶらぶらすることになりました。
(そのお調子者はしばらくして、料理の勉強しに言葉もわからない、何の宛もないオーストラリアへと旅立ちました。本当にお調子者。もちろん、いい意味で。)
自分の思考でいっぱいいっぱいで、人も建物も目に入らない、声も音も聞こえない。
そんな心境の中、5年間いつも通りすぎるだけの興味のない熱帯魚屋さんの前でふと足が止まり、何も考えずに店内に入りました。
興味を持たない、死んだ目をした僕に眩しいくらい陽気に話しかけてくる店員さんと、その奥で水替えするクールなお洒落イケメンのお兄さん、村上春樹の小説に出てくるような不思議な透明感のお姉さん。
外観が小汚かったので、いつも素通りしていたけど、自動ドアを入れば目に飛び込んでくれる、それまで見たことのなかったサンゴ水槽。
”水槽はそこに小さな海を作る”後々そう教わりました。
自分の先入観や思い込みで通り過ぎていたその場所が一瞬で興味に変わりました。
「世界の人口60億人。色々な人がいる。でもそれは世界の3割で、7割は海なんですよ。人でもこんなに多種多様なんですもん。魚は面白いですよ!」
ふわふわしたまま店に出て、はっ!と思いまた店内へ。
「ここで働かせてください!」
(ELENAのHPデザインのルーツは此処から来ています。)
「山井のやまいは病いだから」とくそつまらんダジャレを言っていた社長。
後に沖縄の小浜島に連れていかれた時、顎下くらいまで海の洞窟に連れていかれ、よろけて何かを掴もうとした時に
「触るな!その鍾乳洞は君の命より重い!!」と怒鳴られた時はドン引きました。
行きたくないのに連れて行かれ、23歳の若者に「私が此処で君を殺しても絶対にばれない自信がある」と低い声で言われた時にはどえらいとこに来てもうたと震えました。
深夜にマイケルジャクソンのMVを延々見させられたときは、一緒にスリラーを踊らされるんじゃないかとちびりそうになりました。
ちっこいロン毛で明るく陽気な小〇店長。不倫をしていて、それをいじると
「悪いことなのはわかっているけど、それがなくなると僕が僕でいられなくなるんだよ!」
と今になってわかるようなわからないようなことを言っていました。
自分の人生でトップ3に入るイケメンの△さん。声も素敵でした。
横浜国立大学を卒業され、なぜこんな人がここにいるのか不思議でしたが、毎日ごはんに連れて行かれ。めちゃくちゃ可愛がってもらいました。
僕の家に「汚いから土足でいいか?」と土足であがったり、ちょっと変な人でした。
毎日のように寝坊する僕に「欧米だな」と当時流行っていたタカトシのネタをさらっと言ったり。
行き詰っている△さんに4歳下の僕が偉そうに助言していたら「おまえが言いたいことはわかってるよ。通ってきた道だから」
(バイトの僕と社員の迫さんという意味でもあり、27歳は23歳を知っているし、23歳は27歳を知らないという意味)
「友達としておまえは最高だけど、一緒に働く上では最低だ」
今の自分の価値観に繋がるものを沢山教えてもらいました。(小〇さんエピソード薄っ!)
不思議なお姉さん増×さん。増×かえさんだったかな?
劇団に入っていて、本当に誰より質素に暮らしていて。
僕の誕生日にぼろぼろの読み古した小説を貰った時は、何とも言い難い気持ちにもなりました。
個性的な人たちに囲まれ、僕は職場と仕事を好きになりました。
その中でも海水魚。サンゴ。誰も飼ってなかったので「おまえ海水買えよ。お金はツケでいい。」ということで海水魚を買うことに。
正解は知らないですが、海水魚が家にあるっていうのは”お洒落な、生きたインテリア”があるっていうのが僕の感覚です。
とても繊細で一日で10000円以上する魚が死んでしまうことも水槽から飛び出してしまうこともある。
本当にずーっと眺めていれるそんな世界で。
「お兄さんイケメンですねー」と軽いノリで勧めると今でも活躍されているる芸能人だったりもしたり、
大金持ちの家にメンテナンスに行って、壁が水槽、ジョーズに出てくるようなサメが5.6匹泳いでいる世界があったりもしました。
(家は防弾ガラスになっていて、格闘技界のフィクサーとか言うてたな)
休みの日はとにかく海水魚屋さんを回りました。
楽しかったし、知りたかったし、海水魚に関してはお店の中で誰よりも負けたくなかった。
お洒落なお店、綺麗なお店、汚いお店、埼玉や千葉の遠くのお店。車はないけど、電車もないから、△さんを巻き込んで、とにかく行きたい場所にいけるだけ行って。
そして、島根の山の中にいる両親に水槽と魚をプレゼントしました。
水温調節に失敗して全滅したけど、喜んでいたのは覚えているし、数日前に実家に寄った時にその水槽に砂が入ったまま、2階の隅に置いてあるのを見た時にほんのわずかな時間だったろうけど、別に後悔はないなーとか。
沖縄で1人になり、さぼりすぎと理解してない結果、鳥が死んでしまい、明日の山井社長の帰宅を恐れ(山井
寝てる親を起こし、事情を説明して「頼む!父さん死んだことにしてくれ!!!」『倒れたじゃだめなん?』「そんなんで帰れるほど甘くない!じゃないと明日殺される!!!」と説明。(なのでこの手の嘘は我に通用しないのだ・・・)
社員全員に連絡するも誰も出ず、朝になってようやく連絡がついて。
「わかった。すぐに帰りなさい。あ!その前に鳥のエサはちゃんとやるように」
と言われた時は、ほんまに殺されてたかなとも思いました。
その後、花を贈るとかなんとかで辻褄を合わせるのに苦労しましたがなんとか逃げ切れました。(経験者だからこそわかる。嘘も逃げるのもだめですよー)
そこを辞めるのをきっかけに別れた嫁と付き合いだしたり、色々思い出が詰まっている期間です。
僕が辞め、△さんがやめ、増×さんがやめ、、、風の便りで山井社長は沖縄事業で5億だか10億だかだまし取られ、僕が働いていたお店は潰れたと聞きましたが、みんな今頃なにしてるのかなー。(ネット見たらまだ系列店があったので、感謝がある3人には〇△×を入れました。)
まあそんなことはさておき、太字だけ今日いらっしゃいませが元気よく言えなかった二人に伝われば幸いです。
俺はそれがあって今があるどーって。職種が時代が変わってもそれは変わらない。
いつかラーメン屋を出すときは、まずはラーメン屋巡りから始めることでしょう。
PS.自宅に戻りブログを書き始める深夜2:21分。
頼んだ通り、いつでも僕のタイミングであげれるよう8/2にセットされた田中田さんのブログをいち早く読みました。
今日の僕には真夏のビールより染みわたります。明日のブログは必見ですよ!
僕は両親にHPのURLを送って、ブログを読ませているのですが、昨夜初めて感想を言われました。
「あれ、ほんまに田中田さんが書いとるんかー」「あの人あんな文章書く人なんかー」
それがどういう意味だったのかはわかりません。ただなんとなく嬉しいコメントでした。
会話するだけでは、文章だけでは、その人はわからない。ってことですね!
僕のブログに対して何もないのは、もう知っているからなのか、それとも照れ隠しなのか・・・
ELENAがなくなるのが先か、親が死ぬのか先か・・・どちらかの前に聞けたらいいかととりあえず思って流しておきました。(笑)
ま、忙しいし、聞くのはずっと先でいいか。
エレナも親も、どちらも長生きしてほしいですしね!